電気技術開発株式会社 THE JAPAN ELECTRICAL CONSULTING CO., LTD.

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北陸新幹線異周波妨害対策事業

TOP実績紹介北陸新幹線異周波妨害対策事業

北陸新幹線異周波妨害対策事業

北陸新幹線は電源周波数が東日本の50Hzと西日本の60Hzで異なることから、新幹線の信号設備に電磁誘導による異周波妨害が発生する恐れがありました。そこで電気技術開発が、この異周波妨害の対策設備の設計と検証についての作業を、鉄道・運輸機構から受注しました。

異周波妨害問題は、類例がなく、その解析方法や対策方法は産業目的だけではなく学術的にも有意義なものです。そのため、解析・検討方法の確立そのものも目的での一つでした。

今回のプロジェクトでは、北陸新幹線の金沢延伸計画において、異周波数妨害の懸念の大きい「新高田き電区分所」と「新糸魚川き電区分所」で最初のシミュレーションを行いました。その結果で得られた数値は許容範囲内でしたが、以前に行った同様な案件でシミュレーションと実測結果との乖離が大きいことが判明していたので、まだ安全であるとは断言できない状況でした。そこで、シミュレーションの精度を向上し、正確に妨害の大きさを確認することとしました。

そのために、まずはシミュレーションの高度化にあたり、土木構造物中の鉄筋を再現。また、回路モデルの最小単位を従来の1km単位から0.5m単位に詳細化しました。これらの結果、シミュレーションの精度が大きく向上し、異周波妨害が確かに許容値の範囲内であることを確認することができたのです。その後の実地試験により、シミュレーションの妥当性の確認も行っています。

また、このシミュレーションの高度化の提案と検証については電気学会にいくつかの論文を投稿。それが評価されたことにより、電気学会から進歩賞を受賞しています。