PORT
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日本は輸出入貨物の約99.7%を海上輸送に依存している国です。
電気技術開発は、港湾の運営に不可欠な電気設備に関する技術サービスを通じて、
物資の安定的かつ安価な輸出入を実現し、国際競争力の強化に貢献しています。
近年は、南海トラフ巨大地震、首都直下地震等の大規模災害対策の
耐震化への取り組みも踏まえ、地方港湾用受配電システムや中央港湾の
部分的負荷増への対応を進める他、BCP(事業継続計画)に対応できる
コンテナパッケージ型受配電設備の開発にも着手。
さらに、近年のコンテナ船の世界的な大型化に対応すべく、港湾法で定められた
国際コンテナ戦略港湾(京浜港、阪神港)において、国際標準仕様(水深、広さ)を
有する大水深コンテナターミナル等の整備にも関わっています。
INTRODUCTION RECORD
国際拠点港湾である名古屋港の飛島ふ頭地区ふ頭では、港湾施設の増深改良および耐震強化の改良工事が行われています。
このプロジェクトの中で電気技術開発が担ったのは、工事による岸壁周辺にある建物や電気設備等への支障を解消するための、電源設備や施設の移設、代替機能の概略基本計画、基本設計、詳細設計など、広範囲に及んでいます。
当プロジェクトでは、既設コンテナターミナルを運用しながら進めていく工事となるため、工事車両の動線に最大限に配慮し、蔵置エリアや荷役作業に与える影響を極力小さくするような計画・提案・設計に留意しました。
まずは基本検討において、岸壁改良工事に支障する物件の整理として、対象施設・設備の割り出し、対応方針の策定、設計・施工区分、費用区分を行い、工事工程や手順を検討した提案を行っています。
そうした検討を踏まえ、冷凍コンセント施設において荷役車両の通行や機能停止期間の影響が小さくなる移設場所の選定や電源切換方法の検討・提案を実施。照明施設に関しても、現状の照明鉄塔に設置されている照明器具の角度を1灯ずつ調査し、机上で照度分布図の作成を行いました。照明鉄塔の仮設期間中も、コンテナの荷役作業の支障とならないよう、現状の設備と同等の明るさを確保した仮設照明設備の設計を行っています。
工事に伴って影響が及ぶ電気埋設管路の検討では、岸壁改良工事範囲で地盤沈下量に応じた対策を講じました。また、桟橋下の配管の検討を行い、管種、支持材、支持の方法の検討・提案を行いました。
横浜港本牧ふ頭A突堤について、元来のコンテナターミナルとしての使用用途の変更が計画されていました。そこで電気技術開発は、本牧A突堤総合受電所に設置されている特別高圧受変電設備を電力需要に見合った設備とするために、高圧受変電設備に置き換える検討業務を担いました。
電気技術開発では特別高圧受変電設備を高圧受変電設備に置き換える更新設計を担いました。具体的には、電力会社との協議(受電電圧を特別高圧66kVから高圧6.6kVへ変更するために必要な調整用資料の作成と協議)、
新旧設備の更新計画の策定(残置される設備へ電源供給を可能な限り維持するため、既設設備と新設設備を併設し、施設の停電が最小限となる工事の切替計画を提案)、既設設備の撤去を含めた新設設備の設計を行いました。
EQUIPMENT / SYSTEM
特別高圧受変電設備&電力監視制御設備・
ガントリー(コンテナ)クレーン電源設備
耐震バースに於ける
地中埋設電線管路
リーファコンセント設備・
コンテナヤード照明設備・保安設備・
海路標識灯設備・高圧陸電設備・
電圧低下補償設備