RAILWAY 空港

AIRPORT

空港

安全運航に不可欠な航空保安施設や、
それらを支える電力設備の計画・調査・設計・
施工監理などに深く関わっている。

日本の空を休むことなく高速移動する膨大な数の航空機。
その安全運航は、地上走行を含めた目的地までの経路及び高度の指示や安全離隔の確保を担う
航空管制業務の用に供する管制施設、操縦士の航行・離着陸の用に供する航空保安施設などのほか、
各種地上支援設備により支えられています。

私たちは、このなかで、航空保安施設や管制施設用の電力設備(受配電・無停電電源
・非常用発電機)、航空灯火・電力監視制御設備、および航空機地上動力(支援)電源の
設備設計を担う存在です。

また、従来から実績のある航空保安施設(飛行場灯火や着陸進入する航空機に対して
誘導電波を発射するILS、方位・距離を提供するVOR/DME)の設計に加え、
空港マルチラテレーション装置などの次世代航空機ナビゲーション分野の設計にも携わっています。

実績紹介

INTRODUCTION RECORD

国内各地の空港では、更なる安全性、信頼性および保守性の向上にむけ、
航空保安施設や管制施設の更新が、継続して行われています。
また、大都市部の空港では急伸する航空需要に応えるべく、
更なる緊密な離発着スケジュール実現のための
設備増強が相次いで進められているところです。
以下に紹介するのは、
私たちの技術が存分に発揮された近年の大型プロジェクトの参画例です。

東京国際空港再拡張整備事業

東京国際空港(以下、羽田空港)では、国際線の成田空港への移管後も国内線の航空機発着需要が膨れ上がり、1984年から2007年にかけて沖合展開事業が行われていました。その後、さらに増大が予測される航空需要に対応するために、D滑走路建設を軸とした東京国際空港再拡張整備事業がスタート。電気技術開発は、今回も航空保安施設における受配電設備、非常用電源設備、航空灯火・監視制御装置の設計等で貢献することになりました。

仙台地下鉄 東西線
発注元:国土交通省東京航空局 様

羽田空港は沖合展開事業で大幅な離発着処理能力増を獲得したものの、さらなる航空需要の拡大に直面していました。そこで、4本目となるD滑走路の新設と国際線設備の整備を図ったのが東京国際空港再拡張整備事業です。

D滑走路に関連する電気設備には、航空灯火および無線施設の他に、供給処理施設、道路照明、消防庁舎、警備システム等があり、これらに電源を供給する必要があります。ところが、既存の中央受配電所では、電源供給能力と配電ルートの確保が十分とはならないことが判明。新たな受配電設備が必要になりました。

D滑走路関連設備へ電源供給するための南側電源局舎の受配電設備・非常用電源設備・監視制御設備の基本設計及び実施設計を行った私たちは、電力会社との協議を重ね、中央受配電所とは別に南側受配電所も電力会社から受電することを決定。

この工事の完成により、電源を東西に分離することで効率的な配電が可能となり、災害等による電力会社の送電停止や構内事故等による滑走路の閉鎖、航空管制施設等の運用停止といった空港処理能力に直結する危機管理上のリスクについても、危険分散と冗長性の向上を図ることができました。

東京国際空港航空灯火・電力監視制御装置更新事業

当プロジェクトのスタート前、東京国際空港(以下、羽田空港)では、航空灯火設備を運用する監視制御装置構成システムの老朽化による故障頻度が増し、継続運用が脅かされる状況となっていました。また、羽田再拡張整備として4本目の滑走路(D滑走路)及び国際線地区の整備に対応できる装置の設備も急務でした。
私たちは既存設備の実施設計等に実績があったことから、今回も基本設計・実施設計を担うことになりました。

沖縄モノレール
発注元:国土交通省東京航空局 様

当プロジェクトで、電気技術開発は監視制御装置更新の基本設計の一環として、まずは6ヵ年にわたる更新計画を作成。次いで、中央およびサブ監視室のレイアウトを、人間工学等を参考に作成しています。その後の実施設計としては、運用に支障が無いような工事手順の詳細検討と、各種装置の製造・設置支援を行っています。

今回の新たな成果としては、一つに羽田空港という巨大空港内に存在する様々なシステム同士を接続するための通信規格を選定し、既存メーカーにとらわれないマルチベンダーとすることができました。

また大型表示装置として採用されていた従来のグラフィックパネルから、新商品として出始めた汎用大型表示装置に変更。これにより、表示内容の多様性と導入コスト削減を図っています。また、表示対象設備の変更に対して容易に修正して表示することができるようになっています。

以上の通り、国内航空路線網の基幹空港と言える羽田空港における監視制御装置の設計を遂行したことにより、私たちには以前にも増して他の国内各空港の安全・便利をさらに前進させる、新たな更新設計の担い手として期待がかけられるようになりました。

設備・システム

EQUIPMENT / SYSTEM

電気技術開発では、次の設備・システムを対象にコンサルティングサービスを提供しています。
  • 航空保安施設(無線施設・飛行場灯火)

  • 航空交通管制施設